ラジオ局の男が半年間、育休を取ってみた

ラジオ局・番組制作部勤務の男(33)が2019年4月から半年間の育休を取っています。その感想など。

完全個室の設置型授乳室「mamaro」は男性も使えるのか? ⇒ 使える

生後3ヶ月を迎えた次女をベビーカーに乗せて買い物をしていると、 次女の下腹部から何かが爆発したのかと思うほどの音で排便がなされる音が聞こえる。健康でよろしい。

「早急にオムツ替えを」と思っていたところに目に入ってきたのがこちら。

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設置型授乳室「mamaro」。

www.trim-inc.com

この半年ぐらいでメディアでもたびたび取り上げられ、知名度上昇中のこの授乳室。私が住んでいる千葉県流山市や隣の柏市のショッピングセンターにはテスト運用と題して早くから導入されていた。しかし、私の嫁もまだ使った経験がなく、どんなものなのか分からずにいた。

 

試しに覗いてみる。

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授乳だけでなくオムツ替えにも使ってよいとのこと。そして男性も使用可。知らなかった。早速、入ってみる。
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中は一畳ほどの広さ。照明はオートセンサーで点くので、乳児を両手で抱っこしていても安心。
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モニターが付いているのには驚いた。テレビ番組を観ることはできないが、オリジナルのコンテンツが今後、観られるようになるという。私が利用した2019年7月5日時点では目を引くようなものは流れていなかった。
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モニターの脇には荷物を掛けられる。乳幼児と外出する際は大きめのリュックやトートバッグなどを使う方が多いはず。その際に、荷物を掛けられるのは有難い。
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電源も完備。スマホの充電などに使えそう。
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この白いパットを指で操ってモニターを操作する。慣れるまでには少し時間がかかるか。

 

肝心のオムツ替え用の設備だが、トイレでよく見かける「開閉式のオムツ替え用の台」のようなものはない。しかし、固定されたソファ椅子とキャスター付きの椅子があるので、それらを組み合わせて子どもを寝かせ、オムツを替える。私も生後3ヶ月の次女で試したところ、十分な大きさだった。恐らく、オムツが外れる3歳前後まで使用しても問題はなさそう。

但し、「オムツ替え専用の台」ではないので、子どもを固定させるベルトがないので要注意。この点は今後、改善していただきたいと思った。

 

■「mamaro」の運営会社は?

横浜に本社を構える「Trim株式会社」という企業。

www.trim-inc.com

長谷川社長のインタビュー記事はこちら。

www.dreamgate.gr.jp

記事によると、近年、商業施設に授乳室を設置する動きはあるものの、長谷川社長は、

「あったとしても施設内に1カ所程度。その多くはカーテンで仕切られたスタイルで、プライバシーの確保が難しい。また、そもそも女性専用のため、男性がベビーケアできないという問題もあります。外国人への対応もまだまだです」

と問題点を指摘。私も子どものオムツ替えのために授乳室に入ろうとすると「男性入室禁止」で、致し方なく嫁にお願いした経験がある。これらを解決するために「mamaro」を開発したという。

さらに、記事内で目を引いたのが、

同社の調べでは、実に97.3%のお母さんが、外出先で、授乳施設などを探せなくて困った経験を持っているという。国内に設置されている授乳室は約2万カ所、赤ちゃん100人に1人分程度の割合だ。夏の炎天下や冬の寒さの中で授乳室を探しまわるのは大変だし、授乳ケープをかぶせての授乳も赤ちゃんに我慢を強いることになる。授乳には平均20分程度かかる。外出先で、困っているママたちは本当に多いのだ。

 という部分。こうした数字をみると、授乳施設を充実させることが世の子育て世代を大きく助けることになることが分かる。

実際、私も初めての場所に行くときは必ず事前に授乳室やオムツの替え場所を調べてから行くようにしている。感覚としては、2000年代前半までに建てられた施設は、授乳室などの設備が整っていないことが多いように感じる。あったとしても後付けで「無理やり作った感」があり、施設内の不便な箇所にあることが多い。そんなときにこの「mamaro」があると、子育て世代にとっては大変ありがたい。

 

この企業のもう1つの大きな柱となっている事業は「Baby map」というアプリ。全国の授乳施設やおむつ交換台、「mamaro」の位置情報も検索できる無料アプリだという。

babymap.jp

記事によると、近い将来、スマートフォンから空き状況の確認や予約機能も付加する予定だという。私も早速、ダウンロードしてみた。

 

「mamaro」の今後の展開は?

私が実際に「mamaro」を使ってみて、一番目を引いたのはモニター。こちらが今後、どんな展開になっていくのか楽しみである。

記事の中で、長谷川社長はモニターでの広告について言及している。

「『mamaro』の利用者は、ほとんどが女性です。しかも利用時間は約20分と長い。広告主にとっては、ターゲットを絞りやすく、授乳室のモニターを通して、長時間CMを流すことができるというメリットがあります。子育て世帯、とりわけ乳幼児を持つママたちは購買機会が多いので、子供用品、住宅、保険、車などを扱う企業からのニーズが大きいと考えています」

確かに、これはニーズがありそうである。

さらに、記事では、モニターの別の利用方法についても触れている。

「商業施設内のショップや商品情報を表示し、ショッピングへの誘導や、購入品のレジでの受け取りなど、付加価値の高いサービスの提供が可能です。同時に、地域の子育て情報、医療の遠隔相談、育児相談など、さまざまな使い方も想定しています。『mamaro』は、総合的なキッズケア・プラットフォームとして機能するでしょう

是非、実現させてほしい。

もっと言えば、「mamaro」は男性でも使えることをもっとアピールして、育児パパの情報プラットフォームとしての役割も担っていただきたい。

育休を取ってみて感じたのは、パパとママの育児情報格差男性の育休が注目され始めたのがこの10年ほどの話なので致し方ない部分はあるが、これからはパパ同士のコミュニティも必要になってくるはず。「mamaro」にはそのポテンシャルがあると感じた。